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生涯でオススメする映画を残すことにして一弾目が『ジェヴォーダンの獣』 [映画]

     jevo.JPG
『ジェヴォーダンの獣』
2001年公開作品。
製作国=フランス

昔、HPで感想を載せていたんですが、
今、そこは見られないので改めて(^_^;)
(なんとPCがボロボロのせいで自分でもサイト情報に入れないというアリサマ)
古い犬のせいか、思い出すのが昔の作品ばかりで、
そもそも好きな映画が1980年代から2000年代初期という感じなので、
軽く十年たってるのに、うーん、
どうやら一世代たってしまって、あまり認知されていない傑作が埋もれつつある、
と思いまして、自分なりに過去作で〝わたしの好きな映画〟をご紹介していこうかと。
注・好きな順ではなく、思い出した順に。
また、あくまで個人的なオススメなので、同じ系統が好きだ、
という方が参考にしてください。

その一弾目が、
『ジェヴォーダンの獣』であります。
この当時、フランスでは、脱ハリウッド! 越えろハリウッド!
が、合い言葉のように、サイコサスペンスやミステリーの名作を実写化していました。
注・『羊たちの沈黙』米が1991年。
『クリムゾン・リバー』仏2000年。
『薔薇の名前』仏はなんと1987年。
(死ぬほど可愛らしい見習い修道士のクリスチャン・スレイターが見られます)

ものすごく良く出来たアクションミステリーですが、
当時としてはヒットしなかった記憶があります。
(わたしはすごく好きで、DVDも持っています。買っておいてよかった)
理由の一つとしては、
この、主題となっている〝ジェヴォーダンの獣〟というフランスの古い都市伝説、
(日本でいうなら『番町皿屋敷』くらいの感覚だろうか…)
日本人には馴染みが薄い_/>O
また、当時の感覚としては洋画の主人公は〝知った顔〟が必須でした。
ジャッキー・チェンとか、トム・クルーズとか、
名前を聞いただけでどんな映画か想像できる感じの(^_^;)
しかし、サミュエル・ル・ビアンって誰?
マーク・ダカスコス??
有名俳優がまったく出ていないわけではなく、
脇役としてはヴァンサン・カッセル、モニカ〝超絶美女〟ベルッチもいるのです。

本当は何も聞かずに観て!
と言いたいところですが、それじゃあ良さが伝わらないので、
いくつか観てみてポイントを…。


その①
とても見やすいアクションを観て!
最近の3Dとか、CGとか、ブルーライトとか、
とにかくせわしない画像に虐げられた目には、
〝何が起こっているのか一度で判る〟映像というのは、
とてつもない価値を感じられるのではないかと思います。

冒頭のどしゃぶりの雨の中、現れる妖しげな黒ずくめの異端の二人組、
泥まみれで逃げ惑う父と娘、それを追う蛮族。

この、冒頭のシーンだけで二人組の役割、性格が判るのがすごい!
一方は明朗快活な金髪、一方は寡黙だけど〝忠実な〟異端(インディアン)。
この〝忠実な〟というところが、実は重要です。

アクションシーンは満載で、
手を変え品を変えやってきますので、
わたしのオススメとしてはめずらしく138分という長丁場ながら、
飽きることはありません。

その②
フロンサックとマニの関係を観て!
上記に書いた金髪がフロンサック、
インディアンがマニです。
フランスを巡る便宜上、マニはフロンサックの〝忠実な〟召使いというポジションにいますが、
実際には新大陸で出会い、命を預け合った経験から、
義兄弟の契りを交わした非常に親密な間柄です。
この二人に関しては、損得や欲にまみれた他の登場人物たちの中にあって、
異質なまでに聖性が強く、お互いの間では裏切りや誤解のない、
とてつもなく真摯な絆によって描かれています。

実はマニは
(ここはさすがにネタバレきついので、数行空きます。
ここまで読んで、ネタバレなしで観ようと決めた方はスルーしてください)






蛮族(反逆者)に殺されてしまいます。
生死を崇高に扱うモホーク族の誇り高い戦士が、
残忍な殺され方をしてしまうのです。
フロンサックの憤怒は頂点に達し、
義兄弟の復讐のため、〝フランス人の紳士〟としてでなく戦いに赴きます。

この、マニの死が泣かせるのは、
もちろんただ死んだ、というだけでも悲しいんですが、
博物学者であり、〝獣〟の正体を探るフロンサックに真相を突き止めさせるため、
自分の遺体をきっちり彼の手元に届くようマニが逃げているところなんですね(T-T)
フロンサックは血まみれのマニの遺体を洗い、
傷を検証し、誰が犯人か、どんな奴にやられてしまったのか、
みずからの手で義兄弟の検死をすることで到達するのです(T-T)

最後、フロンサックは愛くるしいヒロイン、マリアンヌとフランスを去ります。
でも彼の寂しさ、虚しさは、きっと死ぬまで誰にも埋めきれないことでしょう。

その③
難しいことは抜きでストーリーを観て!
この物語のプロローグは、実はフランス革命の夜が描かれています。
語り手の伯爵は、獣退治の当時まだ少年で、
つまりはそういう時代感なんですね。
政府の転覆を謀ろうとする有象無象がゴチャッといる。
注目して欲しいのは、モニカ・ベルッチ分する謎の娼婦、シルヴィアで、
実はupした画像の左端、おかしな鉄扇を持っているのがその人です。
彼女は法王庁からの諜報員で、聖書を歪める背信者を捌く処刑人でもあるんですね。
彼女の必殺シーンは一度しかないんで、もったいないんですが、
それだけに目を離さないで!

物語は、フランスの歴史や、聖書をからめないと本質的なところは意味不明なのかもしれません。
でもそういうのを抜きにして、普通に、
〝貧しくておかしな宗教にハマった人たち〟と、
〝田舎が気に入らなくて都会に復讐したい貴族〟が手を組み、
政府転覆を謀る、というのが骨組みとして判ればいいかと。
そしてこのドロッとした憤懣やるかたない背景に、
実の妹によこしまな恋着をする兄、
そんな兄の気持ちも知らず蝶よ花よと愛でられてフロンサックとの恋愛を愉しむ妹、
人を騙そうとする神秘を暴く主人公フロンサック、
そんなフロンサックを守護するマニ、
と、魅力的なキャラクターが愛憎渦巻くストーリーを展開するわけです。



さて、
いかがでしょう?
ちょっとでも観たい、という気持ちになっていただけましたか?
腐女子寄りのオススメの仕方になってしまったかもしれませんが、
男性が観ても普通に楽しめるアクション作品です。
Amazonではレンタル落ちとかしかないようですが、
TSUTAYAディスカスではDVDレンタル可能です。

作品として、観て損はしないと思いますが、
わたしとは嗜好が違った場合は、いかんともしがたいものがあります。
また、古い映像は見るにたえない、という場合も、
それじゃあどうしようもない、としか言いようがありません。
あくまでも、〝わたしのオススメ〟ということで、
埋もれた傑作、ぜひ一度はごらんになってみてください。


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